仕事で英語を使うシチュエーションで、海外とのメールのやり取りは多いでしょう。添付ファイルをやりとりできる、記録に残る、という意味でもメールは便利ですが、慣れていないと文章の始め方や内容の伝え方に迷って書くのに時間がかかってしまいます。
今回は、英文メール作成を効率化するための基本的な6つのルールをご紹介しましょう。
ルール1 件名は具体的に短すぎず長すぎずまとめる
件名は、見ただけで内容が分かる明快なものが理想的。曖昧な件名にするとスパムメールや広告メールだと判断されて読んでもらえない可能性もあるので注意が必要です。
▶︎英文メールの件名サンプル
Order for A-230(A-230の注文)
Request for rescheduling our Zoom meeting(Zoom会議リスケのお願い)
Reminder: Digital Marketing Webinar is on Friday.(リマインド:デジタルマーケティングセミナーは金曜日です。)
Notification of address change
(住所変更のお知らせ)
Invitation to our 10th-anniversary party
(10周年記念パーティへのご招待)
Thank you for your purchase
(ご購入ありがとうございます)
Apology for the payment delay
(支払遅延のお詫び)
ルール2 「○○様」はDear Mr./Ms. ○○やDear ○○
日本語で「○○様」と書く冒頭の部分です。英文メールでは、
Dear Mr. Brown,
(親愛なるブラウンさん)
Dear Kevin,
(ケビンへ)
となります。Dearは「親愛なる」と訳されますが、あまり意味は気にせずに書けばOK。目上の立場の人には「Dear Mr./Ms.【ラストネーム】,」と書いておいた方が無難ですが、欧米では相手をファーストネームで呼ぶ文化があります。自分と同じくらいの立場の相手であれば、メールでも「Dear 【ファーストネーム】,」でやり取りするのが一般的です。
また、親しい関係にある場合には 「Hello Mr./Ms. 【ラストネーム】,」「Hello 【ファーストネーム】,」や、より砕けて「Hi 【ファーストネーム】,」を使うこともあります。
ルール3 すぐに本題に入る
日本語のメールだと次に「いつも大変お世話になっております」といった決まり文句が入ることが多いですよね。英文メールにはこのような形式的な文句はありません。最初から本題に入るのが一般的です。
I would like to confirm the time of next Thursday’s conference call.
(木曜日の電話会議の時間を確認したいです)
I am emailing you to inform that Mr. Jonathan Chung has joined our company.
(ジョナサン・チャン氏が当社に加わったことをお知らせします)
上記のように、伝えたい内容を最初に明確にしておくことが、的確な返事をもらうコツです。メールの内容には、情報の提供、依頼、確認、などパターンがあります。それぞれ下記のような言い回しがよく使われます。
▶︎情報を提供するとき
I would like to let you know that the ABC system will stop between 8pm and 10pm.
(ABCシステムは午後8時から10時までの間、停止することをお知らせいたします)
I am emailing you to inform you that our next meeting will be held next Wednesday.
(次回のミーティングは今度の水曜日に行われることをお知らせするためにメールを送っています)
▶︎依頼するとき
We would appreciate it if you could answer the questions in the questionnaire.
(アンケートの質問に回答いただければ幸いです)
I would be grateful if you could send the signed documents.
(サイン済みの書類を送っていただけるとありがたいです)
▶︎確認するとき
I am writing to confirm that you transferred the money into his account.
(彼の口座に送金したかを確認したくて連絡しています)
Please let me know if you have a room available for tonight.
(今夜空いている部屋があるか教えてもらえますか)
▶︎添付情報を見てもらいたいとき
Attached is the data you requested.
(添付はご依頼いただいたデータです)
Enclosed is the newest catalog.
(添付は最新のカタログです)
ルール4 文章は「KISSの原則」を心掛ける
英語でメールをやり取りする際にはKISS(Keep It Short and Simple 短く簡潔に)の原則を心掛けるとよいでしょう。KISSの原則とは、もともとアメリカの軍隊用語ですが、設計や美術など何かを作り上げる際にもよく適用される言葉でシンプルさを追求する考え方です。
日本語でも1文を長くすると読みにくくなってしまいます。英語でも同様です。「1文が3行以上にならない」程度が目安です。
ルール5 1通のメールのトピックは1つにする
1通のメールのトピックは1つにするのが原則です。1通のメールに複数のトピックがあると、相手は自分の関心のあるトピックに目がいってしまいがち。
例えば取引先と会議の日程調整をしているメールに、請求書の処理期限の内容を盛り込んでしまったために、相手から請求書に関する返信しか来なくなる、というようなケースはよくあることです。
ルール6 「行間を読む」を期待せず、伝えたい内容は明記する
海外の人を相手にする場合、日本人同士にあるような「行間を読む」ことは期待しないのが得策です。相手にやってほしいこと、教えてほしいことなど、ポイントとなる内容を丁寧に明記しましょう。
例えば、オンラインで会議を依頼する場合、相手に発表や発言を求めるのであれば、前もってメールでその詳細を伝えて齟齬がないようにしましょう。
- 何について
- どんな資料を使って
- どれくらいの時間で
- 資料の投影は自分か相手のどちらが行うか
といった具体的な要件を文章で伝えておくと双方に誤解を生じさせることなく進められます。
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相手にメールを送る前にオンライン英会話Camblyのレッスンでネイティブ講師に見てもらうと安心だと思います。自分では漏れがないと思った文章でも、講師から意外な指摘があるかもしれませんよ!