英語教材や仕事のメールなど、英文に触れる機会は多くても、洋書を読むのはハードルが高いと思っている人は多いのでは? でも、最近ではさまざまな洋書が手軽に入手できるので、これを英語学習に活かさないのはもったいない!
英文のまま読めれば原作の世界をより楽しめますし、上質な英文に触れる良い機会にもなります。そこで今回は、洋書を最後まで読み切るためのコツをご紹介します。
ポイント1 特別なスキルはいらない
洋書を読むのに、特別な文法知識や語彙は必要ありません。基本的には英語教材や仕事のメールと同じように読むことができます。もちろん、本によって英文の難易度はありますが、それは日本語の本でも同じ。小説やビジネス書で、気軽に読めるものもあれば、難解なものもありますよね。身構えることはありません。
書店の洋書コーナーでは、読むのに必要なTOEICのスコアの目安が書かれていたりするので参考にしましょう。一般的に、500点程度のスコアがあればハリー・ポッターやシドニー・シェルダンの作品は読めるといわれています。
ポイント2 読みたい!と思う本を選ぶ
難易度を気にして子ども向けの本を選ぶと途中で飽きてしまうことも……。普段ビジネス書をよく読む方であれば、英文でもビジネス書が読みやすいと思います。例えばスティーブ・ジョブズのファンであれば、スティーブ・ジョブズの伝記なら、熱中して読み進めることができるはず。日本語の本と同じで、興味のない本は途中で飽きてしまいます。内容的に興味のある本を選ぶことが大事です。
ポイント3 どんな本かは把握しておく
本の内容を全く把握しないまま読み始めると、理解できているのかどうか不安になることがあります。本の帯やオンラインの紹介文くらいの簡単な情報に触れて、ストーリーの主題や背景くらいは頭に入れておくことをおすすめします。
ポイント4 最初は分厚くない本を
原書を読むぞ!と気合を入れて分厚い本を読むと、途中で息切れしてしまうことがあります。最初は気持ちのハードルを下げることが大事です。ボリュームに圧倒されないように、薄めの本を選ぶのがコツです。200ページくらいが手頃な分量でしょう。
ポイント5 読んでいる最中に辞書を引かない
ここが最も大事なのですが、極力辞書を引かないで読み進めてみてください。これまでの英語学習の経験から、わからない単語を調べるということが習慣付いている方が多いと思います。わからない単語を放置せずにすぐに調べるのはとても大事なことですが、洋書を読む場合に限ってはマイナスです。頻繁に辞書を引くとせっかく本の内容に入り込んでいる集中力が途切れてしまうのです。
なお、洋書を読み慣れた人でもわからない単語には出合うものです。でも、わからないまま読み進めています。何度もその単語が登場すればたいていは文脈で意味がわかってきますし、一度しか出てこない単語であればストーリーの理解を大きく左右することはないからです。
最初は気になると思いますが、ぜひ辞書を引かない読み方にチャレンジしてみてください。日本語の本を読むときも、実は結構、わからない単語に出合っているものですが、文脈から意味を把握しているのです。洋書でも同じことをすればOKです。
ポイント6 読んでいない時に思い出せる単語だけ調べる
とは言うものの、特定のわからない単語が何度も登場して、どういう意味か確信が持てないとなれば、気になってしまいますね。その場合は、本を読んでいない時にでも思い出せる単語だけ調べるようにしてみてください。
読んでいない時に思い出せると言うことは、記憶に残るほど何回も出てきていて、ストーリーを理解するキーワードとなっている可能性が高いので、調べることは内容の理解に役立ちます。意味の予想が当たっていれば自信につながりますし、外れていた場合でも「そうだったのか!」と軽い感動と共に記憶に残ります。
オンライン英会話Camblyのレッスンで、ネイティブ講師にわからない単語について聞いてみるのもよいですね。ネイティブから英単語の説明を聞けるのは最高の学習機会になりますから。
ポイント7 無理して読み進めない(少しずつ読む)
何事も、続けるためには無理をしないこと。洋書も同じで、無理に読もうとすると義務感が先行して内容が頭に入らなくなりますし、心理的にも辛くなってしまいます。毎日〇〇ページ読む、というノルマは課さずに、読みたいだけ読むというスタンスで少しずつでも読み進めることが楽しむコツです。1冊読むのに半年かかっても、1年かかってもよいのです。楽しみながら読むことが大事です。
ポイント8 ノってきたらチャンスを逃さない
少しずつ読み進めていく中で、ストーリーが盛り上がってくると、読んでいて楽しくなる瞬間が出てきます。その瞬間がきたらこっちのもの。一気に進めるチャンスなので、時間が許す限り読み進めましょう。そのままエンディングまで読んでしまった、というのは日本語の小説を読むのと同じ感覚です。
ポイント9 成功体験を作る
初めて洋書を読むと、読み進める中で「ちょっとしんどいな……」と思うこともあります。そんな時は「最後まで読み終える」という成功体験を目標にしてもよいでしょう。たとえ内容の理解が50%だったとしても、大まかな流れと結末は理解できているものです。1冊読み終えた!という充実感を得て、「もう一冊読んでみよう」という気持ちにつなげましょう。2、3冊読むと英文の感覚にも慣れてきて、内容も70%、90%と、どんどん理解できるようになり、日本語の本と同じように読めるようになっていきます。
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オンライン英会話Camblyのレッスンで、読んでいる洋書の感想を話題にしてみてはいかがでしょうか。レッスンごとに、「今日はここまで読んで、話の展開はこうだった」と説明するのは、スピーキングの良い練習になりますし、「この表現がよくわからない」と相談して講師のアドバイスをもらえば、読み進めるモチベーションも上がるはずです! こんな会話で講師に話を切り出してみてはいかがですか?
I started reading Bernard Shaw’s Pygmalion in English.
バーナードショーのピグマリオン(マイ・フェア・レディ)を英語で読み始めたんだ。
I can’t understand this expression. Would you tell me what it means?
この文章の表現が理解できないのだけれど、教えてもらえますか?