「神のみぞ知る」「良薬口に苦し」など、普段、何気なく使っている慣用句。同じく英語にも、慣用句=イディオムがいろいろありますが、学校の英語の授業などではなかなか覚える機会が少ないのでは? そこで今回は、ビジネスシーンの会話でも使えて便利なイディオムをご紹介していきます。
まずは意味を想像しやすいイディオム
まずは、英語の意味からなんとなく意味を想像できるイディオムをご紹介しましょう。
▶︎God only knows
意味:誰にも分からない
日本語でも「神のみぞ知る」と言いますが、同じ表現ですね。
God only knows the result of this competition.
(この競争の結末は神のみぞ知る)
▶︎No pain, no gain
意味:何かを得るときには痛みが伴う
日本語で言うと「良薬口に苦し」といったところでしょうか。
Developing a new product requires a large budget. No pain, no gain.
(新製品の開発には大規模な予算が必要です。何かを得るときには痛みが伴います)
▶︎So far so good
意味:今のところは順調
これもわかりやすい表現ですね。一言で状況を伝えられる便利な表現です。
His fracture treatment is so far so good.
(彼の骨折の治療は今のところ順調です)
▶︎ Blood-related
意味:血縁関係のある
日本語の「血のつながった」というのと似た表現ですね。
Cliff and John are not blood-related brothers.
(クリフとジョンは血の繋がった兄弟ではありません)
▶︎Stick with you
意味:一緒にいる
恋愛で男女がお互い離れず仲良くいることを表現するときに使われることが多いですが、ビジネスパートナーや友人との会話でも使える表現です。
Anybody else has left you by now, but I am still sticking with you.
(他の誰もが君を去ってしまったが、私は一緒にいます)
意味を想像しづらいイディオムに挑戦
次は、英語から意味を想像するのが少し難しいイディオムです。
▶︎Put that on the back burner
意味:それは一旦棚上げして
直訳すると「それは後ろのコンロに置いておいて」となります。キッチンの3つ口コンロは手前に2つ、奥に1つありますが、いま調理しないものは奥のコンロに置いておくことに因んだ表現です。
Sales achievement is a higher priority. Let’s put the HR restructure on the back burner.
(売上達成が優先されます。人員整理は棚上げしましょう)
▶︎Beat around the bush
意味:遠回しに言う
直訳すると「草むらの周りを叩く」です。ジャングルなどで狩りをする際、獲物に直進すると逃げてしまいますから、草をポンポン叩きながら獲物を誘き寄せる動作から使われるようになった表現です。
Let’s not beat around the bush with this matter.
(この件については遠回しな言い方はやめよう)
▶︎Cut someone some slack
意味:(人を)多めに見る
直訳すると「緩いままにしておく」ですが、「手を緩める」くらいのニュアンスになります。
Cut him some slack this time.
(今回は彼を多めにみてあげます)
Cut me some slack.
(勘弁してくださいよ.)
▶︎Bite the bullet
意味:耐え忍ぶ
直訳は「弾丸を噛む」となります。その昔、戦場で負傷した兵士が手術を受ける際、痛みに耐えるために弾丸を噛んだことに由来しています。過激な表現ですが、苦しい中で耐え忍んでいるという状況がよく伝わりますね。
I decided to bite the bullet and talk to the boss about that issue.
(我慢してその問題について上司と話すことにしました)
▶︎Cut corners
意味:手を抜く
直訳は「角を省く」です。道で角を曲がって目的地まで行くところをショートカットして斜めに進んで行く様子を表現したものです。
They must have made this report cutting corners because there are too many miscalculations.
(彼らは手抜きしてこのレポートを作ったに違いないです。なぜなら計算ミスが多すぎるからです)
▶︎Can say that again
意味:本当にその通り
直訳は「もう一度言って良い」となります。「何度言われても同意できる」くらいのニュアンスの表現です。Can you say that again?「もう一度言ってもらえますか?」とフレーズは似ていますが意味は逆なので注意が必要です。
“I think it is better for him to revise the contents of the presentation.”
“You can say that again.”
(「彼はプレゼンの内容を見直した方が良いと思う。」「全くその通りです。」)
▶︎On the same page
意味:認識が一致している
直訳は「同じページにいる」です。職場の仲間や会議の参加者など複数の人の集まりの中で、みんなの理解や目的が一緒であることを表す表現です。複数の人が本の同じページを声に出して読む様子がもとになっていると言われています。日本語で言うと「一枚岩」くらいのニュアンスでしょう。
Our team has to be on the same page toward the hard negotiation.
(その厳しい交渉に向けて、チームは同意見でなければならない)
▶︎Break the ice
意味:緊張をほぐす
直訳は「氷を壊す」です。会議や研修で初対面の人が集まった時などはみんな口数が少なくシーンとした雰囲気ですが、そんな際に司会が冗談を言ったり、みんなで自己紹介をすると場が和みますね。そのように固まった緊張が解けていく状況を表現しています。
Let’s break the ice by starting with a simple question.
(簡単な質問から始めて緊張をほぐしましょうか)
使い慣れないイディオムを仕事などでいきなり使うのはハードルが高いと思います。まずはオンライン英会話Camblyのネイティブ講師との会話で、使う練習をしてみましょう。よく使うイディオムを紹介してもらうのもおすすめですよ。
I want to try using English idioms in a conversation with my colleague. Could you introduce some useful idioms for me?
(同僚との会話に英語のイディオムを使ってみたいのですが、役に立つのをいくつか紹介してくれませんか?)