初夏は、暑過ぎず、寒過ぎず、とても貴重な季節ですね。そこでおすすめなのが、テラス席での“ヌン活”、アフタヌーンティーです。気持ちのいい陽気のなか、のんびりおしゃべりしながら英国文化を楽しんでみてはいかがでしょうか。
今回は、「気になっていたけど行ったことがない」という人のために、アフタヌーンティーの基礎知識についてQ&A形式でご紹介していきます!
“ヌン活”ってなに?
afternoon tea (アフタヌーンティー)を楽しむ活動のことを指します。「きつねダンス」「ヤクルト1000」などとともに、2022年の「ユーキャン新語・流行語大賞」でノミネートされました。「ヌン」と省略したり、「活」をつけたりと、日本らしさが詰まった言葉ですね。
アフタヌーンティーってなに?
afternoon tea (アフタヌーンティー)とは、英国発祥の、食事とおやつの間のような存在。1800年代、貴族の女性が、夕食までまだ時間がある4時ごろにお腹が空いて、お茶と一緒に簡単なものをつまむようになったのが起源だと言われています。
何を食べるの?
アフタヌーンティーで出されるのは主に3種類で、sandwiches(サンドイッチ)、scones(スコーン)、sweets(スイーツ)です。サンドイッチはcucumber sandwich(キュウリサンド)が伝統的です。キュウリとバターや、キュウリとクリームチーズの組み合わせが多いです。
飲み物は?
もちろん、black tea(紅茶)を飲みます! 日本語だと「紅茶」なのでred teaじゃないの?と思うかもしれませんが、英語では、紅茶のことをblack teaと言います。理由は、日本のsoft water(軟水)だときれいな赤になりますが、イギリスのhard water(硬水)で入れると黒っぽくなるからです。
milk tea(ミルクティー)にするときは、ミルクが後? それとも先?
お茶にミルクを注ぐか、ミルクを先にカップに入れてそこにお茶を注ぐか、どちらが正統派なのか気になったことはありますか? 1706年から続く伝統ある英国の紅茶会社、TWININGSのウェブサイトによると、17世紀から18世紀に「ミルクを先にカップに注いだ」背景には、とても実用的な理由があるそうです。
Most people at this time couldn’t afford fancy china so the bowls and cups would crack. Adding milk to the bowl first meant that it could withstand the heat of the water better.
(この頃、ほとんどの人々は質の良い陶器を手に入れられなかったので、ボウルやカップが熱で割れてしまうことがありました。先にボウルにミルクを注ぐのは、熱湯に耐えられるようにという理由だったのです。)
出典:https://twinings.co.uk/blogs/news/the-great-tea-debate-tea-with-or-without-milk
お茶を先にカップに入れて、後からミルクを注ぐことは「いい陶器を使っている」ことを示したとも書かれています。つまり、どちらが正しいか、ということはないのですね。
いつ食べるの?
夕食までの間で小腹が空いた時に食べるものなので、late afternoon(午後遅く、具体的には午後3時から5時くらいの間)が一般的です。
どんなマナーがあるの?
サンドイッチ、スコーン、ケーキ、が出されますが、好きな順番で食べていいわけではありませんよ。再びTWININGSのウェブサイトによると、
The order in which food should be eaten is sandwiches, scones, and then the sweets (with no cheating!).
(食べる順番は、サンドイッチ、スコーン、そしてスイーツです(ごまかしちゃダメよ!)。)
出典:https://twinings.co.uk/blogs/news/tea-etiquette
お食事系から始めて、最後にデザート、と食べ進めるのがスマートなんですね。
クロテッドクリームって何?
スコーンと一緒に出されるのが、jam(ジャム)とclotted cream(クロテッドクリーム)。硬さも味も、butter(バター)とfresh cream(生クリーム)の中間のような感じで、スコーンによく合います。clottedとは「凝固した」という意味で、脂肪分の高い牛乳を煮詰め、表面に浮いて凝固した乳脂肪分を集めて作ります。イギリス南西部のデボン州、コーンウォール州で古くから使われる、伝統的な食べ物です。
3段のお皿はなに?
アフタヌーンティーを象徴するのが、お皿が3段に分かれているcake stand(ケーキスタンド)です。ここにかわいらしい食べ物がたくさん載っていると、思わず写真を撮りたくなりますね。イギリスの家庭では、キッチンの棚のどこかに眠っていることも多いアイテムなのだとか。日本では、持っている人はあまりいないのではないでしょうか。
3段のお皿の、どこになにを置くの?
1700年代からの伝統では、the top tier(一番上の段)はscones(スコーン)に使われ、the middle tier(真ん中の段)はsandwiches(サンドイッチ)に使われ、the bottom tier(一番下の段)はsweets, pastries and deserts(お菓子、ペストリー、デザート)に使われたそうです。ですが、今ではどの段になにを置くかはお店によってさまざまです。
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いかがでしたか? 日本にいながら、英国の伝統文化を感じられ、英語学習のモチベーションアップにも貢献してくれそうなアフタヌーンティー。
オンライン英会話Camblyのネイティブ講師には、イギリス出身の先生もたくさんいますので、本場のアフタヌーンティー事情をぜひ聞いてみてくださいね。日本で“ヌン活”と呼ばれて大人気だと伝えたら、びっくりするかもしれませんよ!